無職になって、特別な日が一つもない。
無職になってから、特別な日が一つもなくなった。
誕生日も、記念日も、
区切りのような日も、特に意味を持たなくなった。
働いていた頃は、週末や大型連休があった。
忙しさに理由があり、疲れにも名前があった。
今は、そういう目印がない。
今日は今日で、昨日と大きく変わらない。
明日も、たぶん同じだ。
特別な日がないというのは、退屈だと思っていた。
何も起きない日が続くのは、
不安になるとも思っていた。
でも実際は、不安よりも先に、
静けさが来た。
何かが起きるのを待たなくてよくなった。
何かを祝う準備も、
落ち込む準備も、しなくていい。
今日は、ただ過ぎていく日だ。
昼に何を食べたか、はっきり思い出せない。
でも、空腹は満たされた。
夕方になって、外が少し暗くなった。
それだけで、
一日が終わりに近づいたと分かる。
特別な出来事は、なかった。
それを、失敗だとも、
残念だとも、感じなかった。
特別な日がないと、人は何を基準に
生きればいいのか。
以前は、予定や成果が基準だった。
評価や結果が、一日を意味づけていた。
今は、基準がない。
基準がないと、一日は軽くなる。
良かった日、悪かった日、
そう分けなくていい。
ただ、終わった日になる。
特別な日がない生活は、
何かを諦めた結果ではない。
何かを手に入れた結果でもない。
ただ、余計な線が
引かれなくなっただけだ。
この日が特別である必要はない。
この時間が何かに繋がる必要もない。
無職になって、特別な日が一つもない。
それは、空っぽになった話ではなく、
何も足さなくていい話だと思っている。
今日は、今日のままで終わった。
それで、十分だ。
今回の加点:+4pt


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