54歳、無職|何も起きない日が、ただ過ぎていくPart3

無職になって、予定が一つもない日があった。

無職になって、ある日、気づいた。

今日は、予定が一つもない。

誰かに会う予定もなく、

どこかへ行く予定もなく、

やるべきこともない。

カレンダーを見ても、何も書いていなかった。

予定がない日は、今までもあったはずだ。

でも、「本当に何もない日」は初めてだった気がする。

働いていた頃は、予定がなくても、仕事という前提があった。

出勤する。

時間が決まっている。

終わる時間も、だいたい分かっている。

予定がない、というより予定が見えないだけだった。

今は違う。

今日は、どこにも行かなくていいし、誰にも会わなくていい。

そう思った瞬間、少しだけ立ち止まった。

何をしよう、という考えが出てこなかったからだ。

本を読むでもなく、テレビを見るでもなく、掃除をするでもなく。

ただ、座っていた。

時間が止まったわけではない。

時計は進んでいる。

外も明るくなって、昼になって、夕方になっていく。

でも、「次」がない。

次に行く場所も、次にやることもない。

それが、怖いとも言えず、楽とも言えなかった。

予定がないと、人は何者でもなくなる。

誰かのための役割も、時間に追われる理由も、一旦、消える。

その状態で一日を過ごすのは、

思っていたより静かだった。

焦りが出ると思っていた。

不安で落ち着かなくなると想像していた。

でも実際は、何も起きなかった。

昼になり、腹が減り、何かを食べた。

夕方になり、外が暗くなった。

予定がなくても、一日は勝手に進む。

それが、少し不思議で、少し安心だった。

予定がない一日を何度か過ごすうちに、分かったことがある。

人は、予定がなくても壊れない。

何かを決めなくても、

何かを生み出さなくても、生きていられる。

それが良いのかどうかは、まだ分からない。

ただ、予定が一つもない日が

確かに存在して、自分はそれを生き切った。

今日は、それでいいと思っている。

今回の加点:+4pt

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