無職になって、曜日の感覚が消えた。
無職になってから、
曜日が分からなくなった。
正確には、分からなくなったというより、
気にしなくなった。
月曜日だから憂うつ、金曜日だから少し楽、
そういう感覚が消えた。
朝起きて、今日は何曜日だろうとほとんど考えない。
カレンダーはある。
スマートフォンを見ればすぐ分かる。
でも、確認する理由がない。
働いていた頃は、曜日が生活を区切っていた。
月曜は始まりで、水曜は中日で、
金曜は終わり。
土日は休みで、日曜の夜は少し重かった。
今は、その区切りがない。
今は毎日が日曜日でそれはそれで悪くないな。
朝は朝で、昼は昼で、夜は夜だ。
ただそれだけ。
最初は不安だった。
「このままで大丈夫なのか」というより、
「このまま何も感じなくなるんじゃないか」と思った。
でも、しばらくすると気づいた。
曜日がなくなっても、一日はちゃんと終わる。
腹は減るし、眠くなるし、暗くなれば夜になる。
人間は、カレンダーがなくても
生きられるらしい。
無職になると、「時間をどう使うか」
という話をよく聞く。
有意義に使え、とか
無駄にするな、とか。
でも今の自分には、時間を使っている感覚がない。
時間の中に、ただいる。
曜日があった頃は、常に先を見ていた。
次の締切。次の休み。
今は、次、がない。
それが良いのか悪いのかは、まだ分からない。
ただ、曜日に追われなくなったことで、
焦る回数は減った。
「もう金曜なのに、何もできていない」
「もう月曜が来てしまった」
そういう言葉が、頭に浮かばなくなった。
代わりに浮かぶのは、
「今日という一日が始まったな」という、
それだけのこと。
無職になって、曜日の感覚が消えた。
それは、何かを失った話なのか、
ただ、役割を外した話なのか。
今は、まだ分からない。
でも今日も、朝が来て、
夜になった。
曜日は分からなくても、一日は終わる。
今は、それだけで十分だ。


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